不正商品対策協議会(ACA)は2002年2月8日(金)、東京・千代田区の「グランドアーク半蔵門」において、第4回目となる「アジア知的所有権シンポジウム2002」を開催しました(後援/警察庁・外務省・財務省・経済産業省・特許庁・文化庁 協力/2002FIFAワールドカップ日本組織委員会)。
今年から半日開催となったシンポジウムでは、600人を超える聴講希望者があり、当日は過去最高の約490人が参加・聴講されました。今日の日本における知的財産の保護に対する関心の高さを裏付ける結果となりました。
シンポジウムは、稲葉昭典代表幹事(JVA会長)の開催挨拶に始まり、全3部構成で行われました。
まず、第1部はアメリカ映画協会(MPAA)ディジタル戦略最高責任者のジェイ・スコット・ディンスデイル上級管理副社長からの基調講演「グローバリゼーション& Anti-Piracy 〜MPAの知的財産侵害に対する世界侵略〜」が行われ、デジタル時代におけるオンライン上での権利保護の重要性について講話がありました。次いでMPAアジア太平洋地域代表のマイケル・エリス氏とACA監事である弁護士の遠山友寛先生との対談「アジアにおける不正商品対策と各国間協力について」が行われました。
第2部として、「ネット社会における音楽の違法利用とその対策」について、侵害実態のデモンストレーションを交えて、作曲家の向谷実氏、レコード協会より田中純一氏、音楽電子事業協会の戸叶司武郎氏、JASRACの菅原瑞夫氏らによって権利保護に関して熱気あふれる討論が行われました。
第3部は、セミナー「日本における知的財産保護に関する現状と今後の課題」として、警察庁の谷直樹生活経済対策室長、文化庁の岡本薫著作権課長、財務省関税局の山田正明知的財産専門官、特許庁から鶴谷裕二地域政策室長らといった関係省庁の担当責任者をお招きして、ACA監事の前田哲男弁護士の司会進行により、各位それぞれの立場から有益なご講演をいただきました。
中国、台湾のWTO加盟に伴って、アジア地域での知的財産問題がクローズアップされていたこともあり、各省庁の海外対策の話に熱心にメモを取る来場者の姿が数多く見られました。またブロードバンド時代の到来を受けて「ファイル交換ソフト」の問題は各部で取り上げていました。シンポジウム会場では、ACA海外視察などで入手した偽玩具やゲームソフト海賊版などについて展示、さらには2002FIFAワールドカップサッカーに係わる不正商品を展示し、多くの聴講者の関心を集めました。
なお、今回のシンポジウムでも、マスコミ各社が数多く取材に訪れ、事後において各種媒体にシンポジウムの内容が数多く掲載されました。 |